「つくる会」教科書 中高一貫校で採択 東京都教委

 来年4月に開校する東京都立初の中高一貫教育校、白鴎高校付属中学校(台東区)で使う歴史教科書について、都教育委員会(委員長・清水司東京家政大理事長)は26日、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の教科書(扶桑社発行)を採択した。投票の際は教育委員6人のうち5人が支持、採択に異論は出なかった。
 本年度、使用している公立校は都立養護学校2校、愛媛県立ろう・養護学校5校、中高一貫教育愛媛県立中学3校の計10校。
 都教育委員は、清水委員長と元文部事務次官の国分正明氏、元丸紅会長の鳥海巌氏、将棋棋士米長邦雄氏、脚本家の内館牧子氏、横山洋吉教育長の6人。内館氏以外は2001年8月、一部の都立養護学校用に扶桑社の歴史と公民の教科書を採択した際と同じ。
 この日の定例委員会では、投票結果を受けて委員が協議。内館氏は「記紀神話の記述で女の子が恥ずかしがるかもしれない描写がある」などと述べた。米長氏は「3年前、この教科書が一番良いという見解を出している」と強調。国分氏は採決の際、「戦争に導くような教科書ではない」と語った。
 都立白鴎高・付属中は「日本人のアイデンティティー育成」を教育の柱の一つに掲げ、中学で三味線や和太鼓を取り入れた「邦楽」、高校では「日本文化概論」の授業も実施する。
Sankei Web

左右を問わず何かと批判の対象となる歴史教科書だが、実際に歴史教科書をきっちり読んでいて、なおかつその内容を理解できている人はどれほどいるのだろう?予備校講師と教科書会社の中の人ぐらいなのではないだろうか?
右方面の人は現行の教科書を自虐的と批判するが、その教科書が準拠する学習指導要領はどうなのだろう?学習指導要領を自虐的だという人は聞いたことがない。「つくる会」の教科書もそれ以外の教科書も学習指導要領から逸脱しないように作られていることはどのように説明するのであろうか?
つくる会」の教科書は内容がアレなので受験には適さないが、歴史観を変革する意思が微塵にでもあるのなら大学受験に耐えうる高校教科書でも作ればいいのに・・とも思う。要するに教科書問題に関わる人種には左右を問わず、まともな歴史研究者がいないことがこの問題の一端を象徴しているのではないだろうか。