リチャード・ドーキンス,利己的な遺伝子,紀伊国屋書店,1991 ISBN:4314005564

利己的なあんちくしょう

 一ヶ月ほどかけてようやく読了。以前、理系の知人が大絶賛していたのが記憶の端っこに残っていたので読むことにした本。
 生物学の門外漢にもわかるように様々な動物の事例から説明しているのでとてもわかりやすい内容である。あらゆる生き物は自己複製を目的とする利己的な遺伝子の乗り物に過ぎないという仮説は、発表から数十年を経た今でも説得力を持つ衝撃的なものである。
・・・と熱っぽく語りたい所だが、ここら辺の内容はドーキンスを紹介した本で聞きかじっていたので、この本を読んでいてそれほど衝撃を受けなかったのである。たしかに自己複製子やミームという概念はとても面白いと思う。これからの生命科学情報科学との融合も極めて興味深い。しかし、この本を読んでいて一番惹かれてしまったのはドーキンスが頻繁に例として用いたアリの生態である。他種のアリの卵を奪ってきて奴隷として働かせるアリや、他種の女王アリを殺してなりすまして巣を乗っ取るアリ等、様々なアリの面白すぎる生態がとても気になってしまったのである。何かアリに関するよい本でもないだろうか?