文藝春秋を買って例の小説を読んだ

蹴りたいつら

 肉体改造を行うほうの小説は面白いと思った。ただし読み返したくなるほどの面白さはなかった。消費される小説だと感じた。
 女子高生がアイドルオタクを蹴る方の小説はストーリーどうこうの前に違和感を感じる設定が多すぎた。まず、初めて会話をした女の子をいきなり自分の部屋に招待する高校一年生のアイドルオタクはいかがなものか?そういう話だからといわれてしまえばそれまでだが、思春期の女の子の感性を云々するならば、思春期の男の子の感性も大事にして欲しい。また、自作のアイコラ写真をクラスメイトの女の子に見つかって平常心でいられる男子高校生はある意味すごいと思う。著者はそこら辺の所をどのように考えているのであろうか?
 自分は小説を読む際にストーリーよりも世界観や設定に関心が向かってしまうため、このようなストーリーにとってある意味どうでも良いところで好き嫌いが分かれてしまう。よってこの小説を読んで違和感だけが残ってしまった。自分には根本的に小説を読むリテラシーがないのであろうか・・・

追記:アマゾンの「蹴りたい背中」のレヴューに「直木賞には早すぎる」というカスタマーレヴューがあったので激しく同意してしまった。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309015700/ref=sr_aps_b_/249-0998694-6805108