明野薪能@茨城県明野町
昨日に引き続き能を見に行く。明野町の薪能は例年桜の季節に開催されており、入場無料という太っ腹な企画である。しかも満開の夜桜の下で見る能は最高のロケーションである。一昨年に行ったときは桜の季節が過ぎており、夜桜のうならぬ葉桜能となってしまったのが残念であった。今年は桜の開花期間が長かったため、満開の桜の下での薪能である。しかも当日は月が満ちており、月明かりの下の夜桜というシチュエーションにはそうそう出会えるものではないだろう。
ただし会場が明野町の桜の名所であるため、演能中に花見客の宴会の音が聞こえてくるのはいただけなかった。開催側は今後何とかしてもらいたいものである。
また観客のほとんどが屋台で買った食べ物をつまみに酒を飲んでいた。今の能楽堂などでの公演では絶対にできないことであるが、地方の薪能では大目に見られることである。室町頃の能が大衆の娯楽であった当時は、観客が映画館でポップコーンを食べるみたいに飲み食いしながら能を見ていたのかもしれない。むしろこうした形の方が民衆の娯楽としては自然なのだろう。
演目*1
小舞「柳の下」明野町の子供たち
狂言「盆山」明野町の子供たち
能「羽衣−和合之舞」シテ:清水寛二
狂言「魚説法」野村与十郎 山下浩一郎
能「小鍛治」シテ:観世銕之丞
感想
子供たちの狂言は前回見たときはかなりうまかったが、今回はさらにうまくなっていた。うちの大学のサークルに将来入ってくれないかしらん。
屋外公演のためシテがマイクを使っていたので謡が割れるなど、音響的にはあまり良くなかった。しかし、ヴィジュアル的にはとてもすばらしかった(月下の夜桜だしね)ので問題なし。小鍛治では途中でシテのマイクが音を拾わなくなり、シテの地の謡がスピーカーなしに響いた。マイクなぞ最初からいらなかったのではないかと思う。
[関連リンク]
明野薪能実行委員会
http://www3.ocn.ne.jp/~akeno-no/