植村峻「贋札(ニセサツ)の世界史 (生活人新書)」

中国宋代に人類初の紙幣が発行されて以来の偽造技術とそれを防ぐ技術のせめぎあいを描いた本。印刷の技術や偽造防止技術について詳しく書いてあり専門的な部分も多々あるが、トリビア的な知識が楽しめる内容となっている。とくに技術的な説明が分かりやすいので、紙幣を偽造するのがいかに難しいかというのがよくわかる。
また、歴史上有名な偽造犯のエピソードの数々がとても面白い。偽造がばれて服役しても独房の中で贋札を造り続け、出所後に印刷会社を起こして成功を収めたアメリカ人の話なんかは最高である。