ラーメン

 ラーメンオタクのKとIの二人が旨いラーメンが食いたいというので、博多から久留米まで西鉄に乗ってゆく。大砲ラーメンなる店が美味しいという情報を仕入れていた我々一行は、ギャンブラーKの引率のもと、ラーメン屋を求めて久留米を彷徨した。ところが西鉄久留米駅にて駅員にラーメン屋の場所を聞いて、「場所はわかったぜ」と豪語していたKは実は何もわかっていなかったことが一時間後に判明する。見当違いの方向へと進んだ挙句、通りすがりのおじさんより正しい場所を聞くまでの間、Kの表情は自信に満ち溢れていた。彼の方向感覚を信じた自分が愚かであった。
 そして肝心のラーメンの感想についてKは「それほどの味でもねーな」と言い放った。一体、旨いラーメンなるものはこの世のどこに存在するのであろうか?