滝本竜彦「超人計画」角川書店

同じ専攻の友人が急に研究室に駆け込んできて貸してくれた代物。“ひきこもり世代トップランナー”にして小説家のエッセイなのだが、ひきこもりを卒業した人なのでその称号は使えないと思ったりするが、まあ真性ダメ人間なのは確かなのでよいのではなかろうか。それにしても“ひきこもり世代”ってなんなのだろう?
基本的な内容は著者の脳内彼女との対話をつうじた、ダメな自分から抜け出せないあがきと苦悩をつづったたわいのないエッセイである。ひきこもりに至る学生時代のイタイ思い出やマジックマッシュルームによるトリップ体験なども随所にまじえた脱力系な徒然草は、全体的なイタサと一部に感じてしまう共感がなんとも切ない。
自分もダメ人間なので共感してしまうのだろう・・・