九世野村万蔵襲名披露会@国立能楽堂

 八世野村万蔵の名は七世野村万蔵(初世野村萬)の長男野村万之丞師が襲名する予定であったが、昨年の6月10日に万之丞師が急逝してしまったために弟の野村与十郎師が襲名することになった。故万之丞師には八世万蔵の名が追贈され、与十郎師は九世万蔵を襲名した。

演目(九日昼の部)

感想
 狂言各流派の重鎮が勢揃いする中、九世万蔵師の「花子」での演技は引けをとらないものであった。特に演目中の見せ場であるシテによる舞と謡は圧巻であった。芸の巧さでは若手(といっても三十後半なのだが)ナンバーワンという巷の評価は間違っていない。これまで舞台一筋で数多くの舞台をこなしてきた師の実力をフルに発揮したものであったと思う。
 それにしても能楽界の重鎮が集まる中で、野村万作家だけが出ていないとは・・・